専門学校出願の際に学生ビザ申請は慎重に!

近年、オーストラリアの学生ビザ却下の事例が増えている件になりますが、その中でも、専門学校での就学をされる予定の留学生のビザ却下事例が一番多くなっております。
オーストラリアの学生ビザでの就学レベルとしては、大きく以下に分けられます。
・小中高校
・語学学校
・専門学校
・大学
・大学院
これらの中で何故、専門学校が一番、ビザ却下率が高いのでしょうか?
何故、専門学校の場合だと却下率が高いのか?
大きな理由はこちらになります。
「ビザ取り」学校が一番多いから!
所謂、「ビザ取り学校」と呼ばれる学校に代表される、授業に参加しなくても・課題を適当にこなしても大丈夫・・を良しとしている学校が専門学校ということが多くあります。
例えば、語学学校の場合には、規定により、対面授業(クラス)を週に20時間は少なくとも出席をしなければいけないというルールがある一方、専門学校では、一応、16時間ほどのクラス参加と4時間程のオンライン授業という組み合わせが多くあります。
ただ、実際には私立の専門学校の対面授業(クラス)はレクチャーと呼ばれる先生の講義を1日3~4時間参加すれば、後は、課題重視で自己学習となることが多く、そのため、圧倒的に、語学学校と比較して対面授業に参加をしなければいけない時間が少ないという事になり、授業自体に参加をしない生徒も増えてくる傾向に学校によってはあるということです。
私立の専門学校でもしっかりと授業参加は勿論のこと、課題もしっかりとクラスでしなければ課題をこなせないようにしている学校もありますし、チャイルドケアやクッカリー(調理師)コースのように、座学だけではなく、実習もしなければいけないコースであれば、そうでもありませんが、一番多くの留学生が就学するビジネス系コースになりますと、学校によっては、全く授業に参加しなくてもよかったり、課題もまあまあ適当にこなしておけば良しとしていることもあります。
オーストラリアは他の英語圏よりも「学生ビザで合法的に就労ができる」可能性が高い国になりますので、一部の地域の留学生は、学生ビザを隠れ蓑にして就学がメインではなく、就労がメインの「出稼ぎ」でオーストラリアに来ている事が決して少なくない一定数いるという現実があります。
そういった方たちが、主に就学するのが、費用を抑えたビジネス系私立専門学校になります。
当然、そういった生徒が多い専門学校には、移民省側も目を付けている訳ですので、仮に日本人が、そういった目的ではなくても、授業料の安さに魅かれて出願をした場合、移民省側はその学校に出願した生徒に対しては特に厳しく審査をするというマニュアル的なものが出回っているため審査期間が少し長引いたり、最終的には、ビザ却下の判断を下す可能性が高いという事になります。
実は、オーストラリアの私立の専門学校はこれも他の英語圏の同じ私立専門学校の授業料と比較した場合、基本低く設定されています。
例えば、カナダを例にとりますと、年間で多くは10,000ドルほどとなりますが、オーストラリアでは、年間4,500ドルなどの専門学校があります。
どうですか?
加えてカナダとオーストラリアの対日本円のレートで言えば、カナダのほうが少し高くなりますが、圧倒的な授業料に差があることが分かります。
授業料も節約できて、現地での就労もしやすい・・・そして、授業参加をそれ程しなくてもいい・・・となれば、普通に考えれば、学生ビザを取得してそのような目的を良しとしている専門学校に多くの留学生が集まるのは必然です。
だからそういった専門学校もビジネス目的(勿論、真面目な学校もビジネス観点を持たなければ運営できませんが、堅実に経営をしています)のために、そのような生徒を多く集めているという事になります。
オーストラリアの産業として、留学というのはものすごく大きなウエイトを占めていますが、それでも、オーストラリア政府はそういった生徒(留学生)をできる限り増やさないように専門学校を中心にモニタリングを強化しています。

まとめ
これから専門学校への入学をご検討されている皆様は、今回の記事の内容を頭の片隅にでも記憶していただき、費用重視(費用重視でなくても、年間6,000ドル~7,500ドルのビジネス系専門学校もあり、ビザ認可率の高い真面目な学校もあります)や授業に参加しなくてもいいというような学校選択よりも、少しでもスキルが身に付き、英語力の向上も望める学校を選択するほうが、より将来的にはご自身にとって留学の意味があるのではないでしょうか。
しっかりと準備して留学に臨みましょう。
オーストラリア留学に関して気になる方はお気軽にご相談ください。