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大変だったことは、やはり英語で日本語の文法の構造を説明しないといけない事でした。前述したとおり、研修直後と研修終了直前では、明らかに英語で説明できる範囲は広くなったと思います。また、前置詞や接続語の使い分けに関しても、より細かく説明できるようになったと思います。しかし、“は”と“が”の違いや、どれ/何の違いなどネイティブでもその違いを説明することが難しい分野になると、やはり歯切れが悪くなったのも確かだと思います。事前に生徒たちが学ぶ範囲を聞いたうえで、予習を自分がしていれば、より早い段階から適切に教えられたのではないかと少し後悔をしています。
リーディングに関しては、小さいグループに分かれて読む練習をしました。その文章中には、日本の文化(行事)に関する記述もあったのですが、どのようにして、日本の文化に馴染みのない生徒たちにそれを説明すればよいのか、非常に苦労しました。私は、横浜出身なのですが、そのような伝統的な行事は、地方で行われているものが多く、私自身も知らないことが沢山あったので、少し勉強不足だったと思っています。
嬉しかったことは、私に向けて質問をしてくれたことです。とても、些細な事ではありますが、私が研修をした時期は、偶然にも私以外に教育実習で来ているネイティブの先生や、ボランティアの方などもおり、日本語を教えられる先生が多くいました。そのため、研修直後は、私以外の先生に質問が集中しました。しかし、1週間が過ぎたあたりから、ライティングの添削を頼まれたり、質問を私に直接してくれる生徒もいて、すごく嬉しかったのを覚えています。生徒が言いたいことを英語で汲み取り、日本語に直すことは思っていた以上に難しく、時には誤った解釈をして、2人で混乱したこともありましたが、お互いに言いたいことがうまく日本語で合致したときは、達成感が生まれると同時に、やりがいも感じました。
今回自分が研修中に行った取り組みとして、生徒が分からない文法や間違った言葉を、自分のノートに書き、その間違いを見せながら一緒に文を直すということをしました。これは、自分の中の挑戦ではありましたが、特にContinuersの場合は、ある程度日本語の基盤が整っていた生徒が多かったので、間違いを視覚的に説明すると、すぐにその間違いを訂正するなど即効性があったように思います。色々な授業スタイルがあり、教え方も人それぞれだと思いますが、この研修を機に、自分なりの教え方が見つかったので、それは1つの収穫だと思っています。
6時00分 | 起床 |
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6時30分 | 朝食 メニュー(パン、スープ) |
8時30分 | 学校到着 |
8時50分~10時10分 | 午前活動 リーディングの練習を行う(3グループぐらいに分かれる) |
10時30分~11時45分 | 午前活動 新しい文法を学ぶ→教科書使用(全体で) |
11時55分~13時10分 | 午前活動 グループに分かれて、スピーキングの練習→テスト対策(1対1) |
13時10分~13時50分 | 昼食 メニュー(マフィン、スコーンなどの軽食) |
13時50分~15時05分 | 午後活動 ライティングのチェック(添削込み) |
15時10分~16時20分 | 午後活動 スピーキングの練習(先生1人+生徒2人ほど) |
17時00分 | 家到着 |
19時00分 | 夕食 自炊 |
23時00分 | 就寝 |
教えた学年:Beginners&Continuers / 1週間の平均授業数:13回
どれとどちらの違い、好き/嫌いについて一緒に勉強しました。特に、どれと何(ex. いちごと、メロンとオレンジでは何が〈どれ〉好きですか)の違いを説明するのが難しかったです。「何」は、もう少し答えの範囲が広く、上記の例題のようにオプションがある場合は、「どれ」(答えの範囲が狭い)を使うと説明しました。
自宅から学校に通っていたので、交通費だけがかかりました。食費に関しては、自分で作って持っていたりしたので、食費にはあまりお金をかけなかったと思います。
派遣地は、Grebeという場所で、シティーからバスで大体20分ぐらいの場所にありました。シティーと比べると、少し静かな印象はありますが、カフェやパン屋などがいくつかあり、昼食を買えるお店が沢山ありました。海が、近くにあったので、学校から見える景色はとてもきれいでしたが、少し肌寒かった印象があります。(私が言った時期は、雨が多かったイメージがあります)
今回の研修を通して、人に何かを教えることの難しさを痛感しました。“こうだからこうなる”と一方的に主張するのではなく、それに至った背景を丁寧に説明しながら、論理的に伝えることが、初めて「教える」ことになるのだと思いました。今回の研修でも、“この場合はこの文法を使う”というのではなく、“こういう原理があって、この言葉はこの形容詞とこういう風に接続する”といったように、具体的に説明することを心がけました。社会人になったら、人に何かを教える機会も増えると思うので、常に客観的な視点から、論理的に相手に教えられたらと思いました。
出発前と現在では、任される仕事+αのことができるようになったと自負しております。研修直後は、無意識に使っている文法をどのようにして、生徒に教えるべきか非常に苦戦しました。しかし、研修終了直前には、“こうするともっとネイティブっぽくなるよ”といったようなアドバイスもできるようになり、その活動を“自分のもの”にしていました。
研修の担当をして下さった先生は、とても日本語が上手な方だったので、授業方針などの簡単な説明は全て日本語で行っていました。また、研修前には、メールを通して、先生とコンタクトをとる機会があったので、研修前からの不安はなかったです。
実は、私は大学時に2年間だけ、教職免許をとるためにいくつかの科目を受講していました。それは様々な理由が重なり、途中で諦めてしまったのですが、この機会に、自分は「教師」という職業に今尚、興味を持っているのか、人に何かを「教える」という事に楽しさを見出すことができるのか、その2点が知りたくなりました。日本では、このような機会は滅多にないと思ったので、今回勇気を持って挑戦させて頂きました。
生徒の名前を覚えることですかね。生徒の名前を覚えることで、彼らもこちらに興味をもつきっかけになりますし、個人的な意見ではありますが、名前を覚えてからの方が、彼らとの距離が縮まったような印象があります。また、名前を呼ぶことで、生徒も私たちの名前を呼んでくれるようになるので、頼ってくれる頻度も必然的に上がります。ですから、“研修をより充実したものにしたい”とお考えの方は生徒の名前を覚えることが一番の近道だと思います。