【日本語教師養成講座】隣のクラスは青く見える

BBIC420時間日本語教師養成講座

 

金曜19時のお楽しみ♪

 

静かな養成講座の教室…

 

今日は、日本語教師として最近感じたことをお話したいと思います。

 

水曜の夜に上級のクラスをやっています。

今のコースは「上級2」で、通常、上級は社会問題とか

日本で起こっていること・世界で起こっていることを

ディスカッション、ディベート、プレゼンテーションを

通して勉強するんですが、

今回は、学習者からのリクエストで、

敬語をみっちり+日本のビジネスマナーも取り入れています。

敬語は実は、初級の最後に勉強しますが、

彼らはオーストラリアにいますし、あまり日本語で仕事をしたり

日本語で接客をしたりということはありませんので、

残念ながら、使わないと忘れてしまうことが多いようです。

 

中級2からこのクラスを受け持って、中級3、上級1とすすめてきて、

授業の中でも敬語に混乱している姿はたまにありました。

ただ、授業で扱うのが社会問題中心だったので、

深く掘り下げることはせず、誤用を訂正するのみに留めてきました。

 

上級2のクラス開講をアナウンスした時に、

敬語を勉強したい

ビジネスマナーをやりたい

といった声が上がって、とてもうれしかったんです。

 

多かれ少なかれ、それを使う場面が生活の中であること、

将来使うかもしれないと思っていること、

また、日本語を使って仕事をするレベルまで達していることを

自覚し、自身を持っていることは、

学習者の成長を感じるひとコマでもあります。

 

それから、初級で習った文法を改めて見直して、

似た文法や表現について、何が違うのかを日本語で説明させる、

というのも、言語運用能力を鍛えるのに役立つ訓練です。

私は中級・上級のクラスでよくやります。

ただ、

「せんせー、意味はわかるけど日本語で説明するのは難しいです」

って言い出しますから、

「じゃあ、初級に戻る?」

というと、養成講座の受講生がデモを断るように、

「いいえ」

と即答してきますね。

 

 

 

ところで、隣のクラスの音(初級のレッスンが多い)が漏れ聞こえてくると、

「せんせー、となりは◯◯を勉強していますね?」

「なつかしいー」

とか言い始めます。

 

こっちに集中しろ!と思いつつ、

あんな小さい音を拾ったのかと感心し、

「みなさんは、はるか上のレベルまできたんですよー」と

褒め称えます。

 

自分と他と比べることは、そもそもの比べる尺が全く違うので

個人的には好きじゃないのですが、

自分の成長を確かめるために、自分が習ったことが今ではすんなり

耳に入ってきて理解できるというプロセスは、

とても大切ですし、モチベーションにもなりますよね。

自省してみる、というのは学習において重要なことです。

 

 

 

 

養成講座では、ポートフォリオという形で講座中の軌跡を追います。

整理整頓の目的もありますが、初期の頃を振り返ることが出来るので、

成長を感じるのにも、もってこいのアイテム。

 

「私、最初の頃こんなことしてたんだ、キモっ」

と思うこともあるとかないとか。

でもそれてって、裏を返せば「こんなことをしていた」と

気づく自分に成長できた、

今ではこうすればわかりやすく説明できるように進化している、

ということですよね。

 

 

日本語学習者にも、ポートフォリオを作ることはあります。

学習者向けのポートフォリオには、

・作文

・テスト

・文化体験等で作った作品

・写真

などなどが入ります。

ただ、今はデジタル化&作文やテストなんかは返却して

フィードバックをしなければならないので、

やっているところは少ないですが。

それこそ、彼らが卒業する時にあげるととても喜びます。

日本人ばりに、

「最初の頃こんな間違いしてたんだ、キモっ」

とか言います。笑

でも、その表情はどこかほこらしげ。

 

 

学習者の成長=やりがい。

 

 

 

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